【最新】プライバシーマークとは?その申請方法と必要書類、申請までの流れを解説

プライバシーマークとは

「プライバシーマーク」は、日本での個人情報保護に関する取り組みを示す認証マークです。このマークは、個人情報の取扱いに関して一定の基準を満たしている事業者や団体に付与されます。

下記で、さらに詳しくまとめてみます。

プライバシーマークの目的

プライバシーマークは、企業や団体が個人情報を適切に取り扱っていることを表すものです。消費者や利用者は、このマークを見て、自分の情報が信頼できる手で適切に管理されていると認識できます。簡単に言うと、プライバシーマークは、「この事業者は個人情報を大切に扱っています」という信頼の証です。

 プライバシーマークの新基準と運営機関

プライバシーマークは、「JIS Q 15001:2023 個人情報保護マネジメントシステム-要求事項」に準拠します。最新の規格は2023年9月20日に公開さればかリです。認証と発行は、一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が担当し、申請の受付と審査は、JIPDEC指定のプライバシーマーク指定審査機関が行います。

プライバシーマークは日本だけ?

プライバシーマークは、日本独自の認証制度であり、主に日本国内での認知度が高いものです。そのため、海外での通用性や認知度は低いと言えます。したがって、海外での取引やビジネス展開を考える場合、それぞれの国や地域のデータ保護やプライバシーに関する規制や基準を理解し、適切な対応をとることが必要です。

プライバシーマークを取得するべき企業とは?

プライバシーマークを取得すべきか否かは、企業の業務内容、顧客との関係性、リスク管理の観点など多岐にわたる要因によって異なります。ただし、以下に一つでも当てはまる企業は、プライバシーマークの取得を検討したほうがいいと言えるでしょう。また、一つも当てはまらない場合でも、一定水準のセキュリティ整備という観点から、プライバシーマークの取得は推奨です。

・大量の個人情報を取り扱っている
例えば、金融機関、通信会社、ヘルスケア提供者、人材紹介プラットフォーム、ECサイト運営企業など。これらの企業は多数の顧客データを持っており、適切な管理が求められます。

・BtoCの事業モデルを展開している
一般消費者との取引が多い企業は、消費者の信頼を獲得するために、プライバシーマークを取得するメリットがあります。ECサイトや会員制度など、個人情報を登録してもらう可能性がある場合は、より重要になります。

・パーソナルデータを主要な資産として活用している
マーケティング、広告、リサーチなどの業界で、個人データをビジネスの中心として活用する企業。

・委託先として他社から個人情報を受け取っている
アウトソーシングやBPO業界のように、他社から個人情報を預かる業務を行う企業は、信頼性の証明としてプライバシーマークが有効です。

・プライバシー関連の法令遵守が特に厳しい業種・業界に属する企業 例えば、健康情報や金融情報を取り扱う業界では、法的な制約や義務が厳しくなることが多い。

プライバシーマークの申請方法

プライバシーマークの申請には、いくつかの手続きとステップが必要です。以下、その主要なステップをわかりやすく説明します。

ステップ①事前準備

・個人情報保護ポリシーの整備
企業がどのように個人情報を取り扱うかを明記する文書を整備します。 ・JIS Q 15001の要求事項に基づく体制の構築
プライバシーマーク取得のための基準であるJIS Q 15001の要求事項を満たす体制を企業内に構築します。

ステップ②プライバシーマーク取得申請

・認証機関の選定
プライバシーマークを認証する機関を選定します。

・申請書の提出
選定した認証機関に、必要な書類とともに申請します。

ステップ③審査機関での審査

・書類審査
認証機関は、提出された書類がJIS Q 15001の要求事項を満たしているかを確認します。

・現地審査
書類が適切であれば、実際に事業者の所在地での審査が行われます。ここで、事業者が適切に個人情報を管理しているかを確認します。

ステップ④認証の取得

・審査結果の通知
審査が合格であれば、認証機関から合格の通知が来ます。

・プライバシーマークの使用許諾
合格後、プライバシーマークの使用許諾が与えられ、企業は公式にマークを使用することができるようになります。

ステップ⑤維持・更新

プライバシーマークは取得して終わりではありません。定期的に認証の維持・更新の審査が必要です。

・定期的な監査
認証を維持するためには、定期的に再審査を受ける必要があります。これにより、継続的に適切な個人情報の管理が行われているかを確認します。

このプロセスを通じて、企業はプライバシーマークを取得し、その取得を維持していくことができます。プライバシーマークの取得は、企業の信頼性を示すための重要なステップとなるでしょう。

申請書類の準備について

プライバシーマークの申請書類の準備は、適切な個人情報保護体制を示すための重要なステップです。以下にその準備方法をわかりやすくまとめます。

ステップ①申請ガイドライン確認:
JIPDECや指定審査機関のウェブサイトなどで、申請のガイドラインやチェックリストを確認します。これを基にどのような書類が必要か把握します。

ステップ②個人情報保護ポリシーの整備:
企業がどのように個人情報を取り扱うかを明記した文書を作成します。このポリシーは、企業の方針や取り組みを示す中心的な書類となります。

ステップ③JIS Q 15001の要求事項に対する準拠状況の明記:
JIS Q 15001の要求事項にどのように準拠しているかの詳細を書類にまとめます。具体的な取り組みや体制、実施状況を具体的に記載します。

ステップ④組織の概要の提供:
企業の基本情報(名称、所在地、業務内容など)や、個人情報の取り扱いに関わる部門や役職、その役割などを明記します。

ステップ⑤実施する教育・研修の内容:
従業員に対して実施する個人情報保護に関する教育や研修の内容、頻度、参加者などの情報をまとめます。

ステップ⑥インシデント対応の手順:
個人情報の漏洩や不正アクセスが発生した際の対応手順や、再発防止策を明記した文書を準備します。

ステップ⑦監査・モニタリングの方法:
個人情報の取扱い状況を定期的に監査・モニタリングする方法や体制、実施頻度を記載します。

これらの書類を整備した上で、申請を行うことで、スムーズな審査を受けることができるでしょう。必要な情報を欠落させず、具体的かつ明確に記載することが求められます。

プライバシーマークの審査基準

プライバシーマークで重視される主要な審査基準を以下の表にまとめます。

項目内容
組織の方針と目的個人情報の保護に関する明確な方針を持ち、従業員に周知させていること
組織の体制個人情報保護の責任者が明確に設定され、十分な権限を持つ体制が整っていること
リスクアセスメント個人情報取り扱いのリスクを定期的に評価し、適切な対応策を実施していること
教育と研修従業員向けに定期的な個人情報保護の教育や研修を実施していること
情報管理適切な物理的、技術的セキュリティ対策が施され、アクセス権限管理やバックアップなどの手順が整っていること
第三者提供・委託第三者への情報提供・委託の基準や契約が明確で、適切な管理がされていること
個人の権利尊重個人が情報の開示、訂正、削除などを要求した際に、適切に対応できる体制が整っていること
インシデント対応漏洩や不正アクセスが発生した場合の迅速な対応手順や体制が確立されていること
継続的改善個人情報保護の取り組みを定期的に見直し、改善を行う体制やプロセスが存在すること

この表はプライバシーマーク取得の主要な審査基準を概略的に示しています。具体的な詳細や最新の基準は、関連公式資料やJIS Q 15001を直接参照することが必要です。

プライバシーマークの申請費用と期間

プライバシーマークの申請費用と期間は、以下の通りです。ただし、これらの情報は変動する可能性があるため、具体的な最新情報は一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)や指定審査機関の公式ウェブサイトなどで確認することを推奨します。

プライバシーマーク申請費用

  • 書類審査料: 申請書類の内容を確認するための費用。大体数十万円程度が目安。
  • 現地審査料: 実際の事業所を訪問し、審査を実施するための費用。規模や場所によって異なり、数十万円から数百万円程度。
  • 認証料: プライバシーマークを取得するための費用。数十万円程度が目安。
  • 年間使用料: プライバシーマークの使用に関する年間の費用。数十万円程度。

申請期間

  • 書類提出から書類審査まで: 1~2ヶ月
  • 書類審査完了から現地審査まで: 1~2ヶ月
  • 現地審査完了から認証まで: 1ヶ月

総合的に見ると、プライバシーマークの取得までの期間は、3~5ヶ月程度を見込むのが一般的です。ただし、事業所の規模や審査の内容、指定審査機関のスケジュールによって、期間は前後する可能性があります。

プライバシーマークの取得に関してコンサルタントへ相談するメリットは?

プライバシーマーク取得に関して、経験豊富ですので、各規定について、どのように定めていくべきか、どう解釈するべきか等、初めてではわからないことを教えてくれるので、非常に効率的に取得作業が進められます。

場合によっては、従業員教育なども請け負ってくれるコンサルティング会社もあるので、様々なコンサルタントへ相談してみるのがよいかと思います。

コンサルタント費用はかかりますが、結果的に、社内作業の削減や取得失敗のリスクを考えるとむしろコストを抑えることにつながりやすく、多くの企業がコンサルタントを活用しています。

弊社でもプライバシーマークの取得支援を行っております。初回の無料相談時にお見積をお出しすることもできますのでお気軽にお問合せ下さい。