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医療関連資料の紛失で220名以上影響 文書の廃棄作業が関係か【会計検査院】

2025年6月23日、国の予算執行状況などを検査する独立機関「会計検査院」が、医療費に関する検査のために広島県から受け取った行政文書が所在不明になっていると発表。
文書には個人の医療情報を含む内容が含まれており、同院は誤って廃棄した可能性が高いという。

問題となっているのは、2024年10月30日に広島県から特定記録郵便で受け取った検査資料。
2025年3月28日、担当部署が文書の所在不明に気づき、庁舎内での捜索を行ったものの、現在に至るまで発見されなかった。
同文書には、広島県内7か所の医療機関で診療を受けた36名の氏名や生年月日、診療内容などのほか、医師や医療従事者220名分の所属先や担当科名、職歴情報が記載されていたとのこと。
さらに広島県職員や厚生労働省職員など計9名の所属情報が含まれていたことも確認されている。
会計検査院によると、これらの文書は本来、庁舎内でのみ取り扱うものであり、外部への持ち出しは行われていないことから、個人情報の流出は確認されていないと説明している。
一方で、当時担当部署では、保存期限を迎えた他の文書の廃棄作業を行っていたことから、誤って処分された可能性が高いという。
原因は、職員の個人情報管理への意識が不十分であったこと、受領文書の保管手続きに不備があったこととしている。

今後の再発防止策として以下の対応を挙げています。

・外部から届いた文書の保管手順を見直す
・他部署を含む情報管理体制の再構築
・幹部職員を含む全職員への研修と指導の徹底
・個人情報管理と公文書の取扱いに関する点検と監査の強化

関係する医療機関や自治体には、文書および電話による謝罪を実施しており、当該個人情報の本人への説明についても医療機関の協力を得ながら対応を進めているという。
会計検査院は、「このような事態は国民の信頼を損なうものであり、深くお詫び申し上げます」とのコメントを発表。
今後、同様のミスが繰り返されないよう、組織全体での再発防止に取り組む姿勢を示している。
【参考記事】
https://www.jbaudit.go.jp/