東京都の教育庁は、都立学校で使用されている「統合型校務支援システム」に不具合があったことを公表した。
この不具合により、複数の学校で同時に健康診断データを登録した際、本来とは異なる学校のデータベースに誤って情報が保存され、一部のデータが失われる事故が発生したという。
問題が起きたのは、生徒の健康診断記録などを電子的に一元管理するためのシステム。
本来はそれぞれの学校が自校用のデータベースに情報を登録する設計だったが、複数校が同時に操作した場合、他校の領域に誤って記録されるというプログラム上の欠陥が見つかった。
対応として、システムの開発と運用を受託していた「東日本電信電話株式会社(NTT東日本)」が2025年4月30日に発見し、5月7日に修正。
その後、復旧作業が行われ、対象となる102校のデータが6月5日までに復元されている。
ただし作業の過程で、生徒1名分の身長と体重のデータのみ復元ができなかったことが判明しており、教育庁は当該生徒と保護者に事情を説明し、謝罪を行ったという。
なお、今回の事故で個人が特定される情報の流出は確認されておらず、プライバシー面での影響はなかったとされている。
教育庁は今後、他のデータにも問題がないか点検を進め、再発防止策を徹底するという。
【参考記事】
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2025/06